Terumi Morita
June 11, 2026·レシピ

回鍋肉

Twice-Cooked Pork (Hui Guo Rou)|中国料理読み:ホイコーロー

回鍋肉は予め豚バラ肉を調理し、香辛料と甘い豆板醤で炒めたシンプルで美味しい中華料理です。

目次(5項)
薄切りの豚バラ肉がキャベツとピーマンと共に艶のある赤褐色のソースで炒められている様子。
レシピ中国料理
下準備20分
加熱15分
人数4 人分
難度ふつう

材料

  • 豚バラ肉 500g
  • キャベツ 300g
  • ピーマン 1個
  • 豆板醤 大さじ2
  • 甜面醤 大さじ2
  • サラダ油 大さじ2
  • 生姜 ひとかけ、みじん切り
  • ニンニク ひとかけ、みじん切り
  • 塩 適量
  • 胡椒 適量

手順

  1. 豚バラ肉を沸騰したお湯で約10分間茹でて、余分な脂肪を落とし、柔らかくします。

  2. 茹でた豚肉を薄切りにします。

  3. 中華鍋を強火に熱し、サラダ油を入れ、香りが立つまで生姜とニンニクを炒めます。

  4. 豆板醤を加え、1-2分間炒めて香りを引き出します。

  5. 薄切りにした豚肉を戻し入れ、甜面醤を加え、全体をよく混ぜます。

  6. 最後にキャベツとピーマンを加え、強火で1-2分間手早く炒め、水分が出ないようにします。

なぜこれが効くか

この回鍋肉は、豚バラ肉を先に茹でることで、肉が柔らかく、脂肪の風味がしっかりと残ります。茹でた肉を薄切りにすることで、後の炒める工程で均一に火が入ります。豆板醤を油で炒めることで、辛味と旨味が引き出されます。もし、炒めすぎてキャベツから水分が出てしまった場合は、強火でさっと炒めることで水分を飛ばし、シャキッとした食感を保つことができます。これにより、全体が一体感のある美味しい仕上がりになります。

ありがちな失敗

  • 茹でる工程を省略または短縮する。 「回鍋肉」は文字通り「鍋に戻す肉」。最初に茹でない時点でこの料理にならない。

    • 目安: 切らないままの豚バラ肉のかたまりを、生姜数枚を入れた湯で25〜30分。箸がすっと通る柔らかさまで。
    • なぜ大事か: 茹でることで肉が完全に火が通り、脂が締まって薄切りしやすくなり、アクが抜けて炒めたときに雑味が出ない。
    • どうするか: 茹でた肉は切れる固さになるまで冷ます。鍋の出汁はスープに転用。中華鍋に向かうのは、肉が完全に火が通ってから。
  • 温かいうちに薄切りにする。 温まったままの脂は包丁の下でつぶれてしまう。

    • 目安: 茹で上がった肉をまな板で15〜20分冷ます、または短時間冷蔵して脂を締める。
    • なぜ大事か: 回鍋肉は炒めたときに端がくるりと反って「ランプシェード型」になる広さが必要。崩れた切り方ではその形にならない。
    • どうするか: 皮側をフォークで押さえながら、繊維に対して斜めに2〜3 mmの厚さ、脂と赤身がきれいに残る幅で薄切りする。
  • 豆板醤(四川発祥のそら豆と唐辛子を発酵させたペースト、回鍋肉の味の核)を焦がす。 豆板醤は「炒めて香りを出す」もので、焦がすものではない。

    • 目安: 中火で30〜60秒、油が濃い赤色に変わり、台所に甘い発酵の香りが立つまで。鋭い焦げ臭ではない。
    • なぜ大事か: 豆板醤は回鍋肉の核。焦げると苦みと粉っぽさが出て、もう取り戻しは利かない。
    • どうするか: 豆板醤を入れる直前に火を弱める。絶え間なくヘラで混ぜ、油の色を見て、赤くなった瞬間に肉を投入する。煙が見えるまで待たない。
  • 水分の多い野菜を一度に入れすぎる。 キャベツが多すぎると炒め物が煮物になる。

    • 目安: いちばん強い火力で1〜2掴みずつ、60〜90秒で仕上げる。
    • なぜ大事か: キャベツからは大量の水分が出る。鍋がジューッという音を失った瞬間、ソースが薄まり、肉のカリッと感も消える。
    • どうするか: 鍋底に水が溜まったら、具を周りに寄せて中央の水分を飛ばしてから合わせる。あるいはキャベツだけ別に炒めて、最後に合流させる。

見極めのポイント

  • 茹でた豚バラに箸がすっと抵抗なく通る状態 — 中まで火が通ったサイン。
  • 豆板醤を炒めて油がツヤのあるレンガ色に変わった瞬間 — 焦げずに香りが立った合図。
  • 熱い鍋に肉が触れた瞬間、端が反り返って浅いランプシェード型になる様子 — 脂が正しく溶け始めた証拠。
  • 炒め終わったキャベツが鮮やかな緑のまま、芯にシャキッとした歯ごたえが残っている状態 — 煮えてはいない。

歴史メモ

回鍋肉(ホイコーロー、「鍋に戻す肉」=豚バラを先に茹でてから薄切りにし、再びキャベツや豆板醤と炒める四川の家庭料理)は四川料理の家庭料理を代表する一品です。豚を最初に丸ごと茹でて供え物にし、儀式の後に切り分けて再び加熱した古い中国の習わしに由来するとされ、料理名の「回」はこの「鍋に戻す」二度目の加熱を指します。郫県豆板醤と甜面醤を軸とする現代の四川式の形は、清代に豆板醤の生産が広まったのちに整い、現在では四川料理を象徴する一皿として位置づけられています。

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