Terumi Morita
July 17, 2026·レシピ

チキンカツ

サクサクの衣とジューシーな鶏肉が楽しめるチキンカツのレシピ。

目次(5項)
サクサクの衣が特徴のチキンカツの美味しそうな写真。
レシピ日本料理
下準備20分
加熱15分
人数2 人分
難度ふつう

材料

  • 鶏もも肉または鶏胸肉 300g
  • 小麦粉 50g
  • 卵 1個
  • パン粉 100g
  • キャベツ 100g(千切り)
  • とんかつソース 適量
  • 塩 適量
  • こしょう 適量
  • 揚げ油 適量

手順

  1. 鶏肉を包丁で平らにし、均一な厚さにする。これにより、内側がしっかりと火が入る前に外側が焼きすぎるのを防ぐ。

  2. 鶏肉に塩とこしょうをふりかけ、小麦粉、卵、パン粉の順で衣をつける。

  3. 揚げ油を170〜175℃に加熱し、衣をつけた鶏肉を入れ、約5〜7分揚げる。衣が深い金色になり、鶏肉の中心温度が74℃に達するまで揚げ続ける。

  4. 揚げた鶏肉を油から取り出し、3分間休ませてからスライスする。

  5. 器に盛り付け、千切りキャベツとともにとんかつソースを添えて完成。

このレシピで使う道具

    おすすめ道具のページで詳しく見る

    なぜこれが効くか

    このチキンカツは、均一な厚さに鶏肉を叩くことで、内部がしっかりと火が入る前に外側の衣(小麦粉・卵・パン粉をつけた外側の層)が焦げすぎるのを防ぎます。揚げ油の温度を170〜175℃に保つことで、衣がカリッと仕上がり、内部の鶏肉はしっとりとジューシーに仕上がります。もし衣が崩れやすい場合は、衣をつける際に卵が均等に絡まっていない可能性がありますので、卵をしっかりと浸してからパン粉をつけると良いでしょう。また、揚げた後に3分間休ませることで肉が最も熱い状態から冷め、切った時にまな板へ出る肉汁が減ります。これにより、完璧な食感と風味を楽しめるチキンカツが完成します。

    ありがちな失敗

    厚みがそろっていない。
    目安: 全体がだいたい同じ厚さ(1.5cm ほど)になるまで平らにする。
    なぜ大切か: 油は、どこでも同じ速さで外側から中へ火を入れていきます。片方が3cm、もう片方が1cmだと、厚いほうが安全な中心温度74℃に届くころには、薄いほうはもうパサパサで、その上の衣も色が濃くなりすぎています。厚みをそろえるのは見た目のためではなく、この料理が成り立つ土台そのものです。
    どうするか: 鶏肉をラップで挟み、中心から外側へ向かって、フライパンの底や麺棒で押し広げるように叩きます。真上から潰すのではなく「横に伸ばす」意識だと、繊維がちぎれません。

    小麦粉を厚く、しかも湿ったままつけている。
    目安: 表面がうっすら粉っぽく見える程度。余分ははたき落とす。
    なぜ大切か: 小麦粉の役目は、水分の多い卵液が肉に引っかかるための「のりしろ」を作ることだけです。厚くつくと内側が粉のまま残り、油の中で糊状になって、切ったときに衣が一枚まるごとはがれてしまいます。カツの衣が浮く原因は、たいていここにあります。
    どうするか: まずキッチンペーパーで鶏肉の水気をしっかり拭いてから小麦粉をまぶし、持ち上げて手首を2〜3回とんとんと叩いて余分を落とします。真っ白ではなく、薄くマットな状態が正解です。

    冷蔵庫から出したての鶏肉を、一度にまとめて入れる。
    目安: 油温は170〜175℃をキープ。家庭のフライパンなら1枚ずつ。
    なぜ大切か: 冷たくて水分の多いものを入れると、油の温度は一気に下がります。150℃まで落ちると衣は表面を固める働きを失い、逆に油を吸い込みはじめます。結果、カリッとせず重たい仕上がりに。2枚同時に入れると20℃近く下がることもあります。
    どうするか: 揚げる15分ほど前に冷蔵庫から出しておき、1枚ずつ揚げて、次を入れる前に油が170℃に戻るのを待ちます。温度計があれば迷いようがありません。

    パン粉をぎゅっと押しつけている。
    目安: パン粉が立ったまま、ふんわりのっている状態。
    なぜ大切か: パン粉は細かくすりつぶした粉ではなく、パンを乾かして「薄片」にしたもの。この角ばった形と隙間の空気こそが、あの軽いサクサク感の正体です。押し潰すとその空気が失われ、密度の高い、ぼってりした衣になります。
    どうするか: 卵をつけた鶏肉をパン粉の上に置き、上からもパン粉をかぶせて、指先でそっと触れる程度に留めます。持ち上げて、落ちる分は落としてしまって構いません。

    衣の色だけで「揚がった」と判断する。
    目安: 肉のいちばん厚い部分で74℃。衣は濃いきつね色。
    なぜ大切か: 衣と肉は別の時計で動いています。パン粉は3分できれいな色になりますが、そのとき中心はまだ生ということが普通に起こります。鶏肉の加熱不足は食感の問題ではなく、食中毒に直結する安全の問題です。色が教えてくれるのは表面のメイラード反応(熱でたんぱく質と糖が結びつき、香ばしい茶色になる変化)だけで、内部のことは何も語りません。
    どうするか: 温度計を横から、衣ではなく肉の中心に差し込みます。74℃で引き上げ、3分休ませます。

    見極めのポイント

    • 衣づけが終わった状態: 表面が均一にパン粉で覆われ、てかった湿った部分も、地肌が見える部分もない。卵が透けて見えるところがあれば、そこにパン粉を足します。
    • 油の温度: パン粉を一粒落としてみます。少し沈んですぐ浮き上がり、2秒ほどで細かい泡に均一に包まれ、軽い「シュワッ」という音がすれば適温。底に沈んだままなら低すぎ、瞬時に色づいて激しい音がするなら高すぎです。
    • 揚げはじめ: 大きな泡と、にぎやかな音。これは鶏肉の水分が抜けている音です。衣はまだ薄い麦わら色でやわらかい状態。
    • 返すタイミング: 音が静かになり、泡が小さくなってきて、側面の色が麦わら色から淡い金色に変わったころ。だいたい4〜5分です。
    • 揚げ上がり: 全体が濃いきつね色。菜箸やトングで軽く叩くと、こもった音ではなく、硬くて乾いた音がします。中心温度は74℃。切ったときに肉は白く、肉汁は透明で、ピンクや灰色がかったピンクが残っていないこと。
    • 3分休ませたあと: 切ってもまな板はほとんど濡れません。まな板に肉汁が広がったら、切るのが早すぎたサインです。

    歴史メモ

    チキンカツは、幕末以降に西洋料理を日本流に組み替えて生まれた「洋食」の一員です。直接の先祖は、フランスの仔牛のカツレツを日本化した「カツレツ」。銀座の煉瓦亭が1899年、これを天ぷらのようにたっぷりの油で揚げ、肉を豚に替え、千切りキャベツを添えて出したのがとんかつの原型とされています。鶏で作るチキンカツはその型をそのまま受け継いだもので、キャベツととんかつソースが今も添えられるのはそのためです。(出典:Wikipedia「とんかつ」Wikipedia「Chicken katsu」

    エッセイをメールで受け取る(無料)

    味・発酵・食の歴史についての週1の短いノート。『Atlas of Flavor』と同じ書き手から。迷惑メールなし・いつでも解除できます。