新疆ラム串(羊肉串)
Xinjiang Lamb Skewers (Chuan'r)|新疆料理読み:しんきょうラムくし
新疆のラム串は、ジューシーな羊肉と脂肪のキューブを串刺しにし、香ばしく焼き上げた絶品料理です。

材料
- 羊肉(肩肉またはもも肉) 500 g
- 純脂肪(ラードなど) 100 g
- クミンパウダー 大さじ2
- 唐辛子パウダー 大さじ1
- 塩 小さじ1
- 黒胡椒 小さじ1
- 串(木製または金属製) 適量
手順
羊肉を2 cmの角切りにし、脂肪も同じサイズに切ります。
羊肉と脂肪を交互に串に刺します。脂肪が肉の間に挟まるようにします。
グリルを強火に熱し、串を炭火の上で約10分焼きます。
肉が焼き色がついたら、クミンパウダー、唐辛子パウダー、塩、黒胡椒を振りかけ、さらに5分焼きます。
串が全体に香ばしい焦げ目がついたら、火から下ろし、数分間休ませます。
なぜこれが効くか
新疆のラム串は、脂肪が肉の間に挟まっていることで、自らをバスティングする役割を果たします。焼くことで脂肪が溶け出し、羊肉にジューシーさと風味を加えます。このプロセスにより、肉がパサつくことを防ぎ、しっとりとした食感になります。もし脂肪が多すぎる場合、焼きすぎてしまうことがあるため、その場合は火を弱めてじっくりと焼くと良いでしょう。また、クミンと唐辛子のスパイスが肉に香ばしさを与え、食欲をそそります。焼き加減はお好みですが、しっかりと焼くことで香ばしさが増します。焼きすぎた場合は、少し冷ますと、余分な脂肪が落ち着いてより美味しくいただけます。
ありがちな失敗
- 脂肪のキューブを挟まない。
- 目安: 赤身2〜3切れに対し、脂肪1切れを交互に。
- なぜ大事か: 赤身だけだと炭火の上で一気にパサつき、自己バスティング(焼くうちに脂が溶け出して肉を内側から潤す働き)の香りも出ない。
- どうするか: 肩肉を切るとき脂身を取り置く、または肉屋に「焼き串用の羊脂」を頼んで赤身と同サイズに切り揃える。
- 火力が弱い炭で焼く。
- 目安: 真っ赤におこった炭、網に脂が落ちた瞬間に音を立てる強さ。
- なぜ大事か: 火が弱いと脂肪が下にしみるだけで焼き目がつかず、煙の香ばしさも出ない。
- どうするか: 灰がうっすら被って熱が安定した炭の真上で焼き、火が落ちてきたら継ぎ足す。
- スパイスを早く振りすぎる。
- 目安: クミン・唐辛子・塩は焼き終わり2〜3分前に。
- なぜ大事か: 早い段階で振ると、肉に火が通る前にスパイスが焦げて苦くなる。
- どうするか: まず焼き色をしっかりつけてから両面にスパイスをまぶし、各面1分以内に香りを立たせて引き上げる。
- キューブが大きすぎる・小さすぎる。
- 目安: 2cm角、中まで火が通り、断面が不透明、外側はパリッと焦げ色。
- なぜ大事か: 小さすぎると焦げる前に乾き、大きすぎると中心が生焼けに。家庭の小ぶりキューブの羊肉は、しっかり火を通して食べる前提。
- どうするか: 2cm角に切りそろえ、頻繁に返し、断面が均一に不透明になった時点で串を引き上げる。
見極めのポイント
- 脂肪のキューブが透き通り、炭に落ちて「ジュッ」と音がする。
- 赤身の角が深いマホガニー色になり、表面が艶のあるラッカー状に焦げている。
- 炭の香りに、トーストされたクミンの香りが重なって立ち上がる。
- 串が手にずしりと重く、肉がしぼんで軽くなっていない。
歴史メモ
羊肉串(ヤンロウチュアル。一口大の羊肉を串に刺して炭火で焼いたもの)は、新疆ウイグル自治区のウイグル族・回族のムスリム文化と強く結びつき、シルクロードを介して中央アジアの串焼き文化と地続きにある料理。「串」という漢字自体が、串に肉が刺さった姿を象った形声文字で、現在の山東省にあたる地域の後漢(25〜220年)時代の墓からは串焼きを描いた石刻も出土しており、技法そのものは中国にも古くから存在する。現代の街頭料理としての羊肉串は、改革開放の進んだ1980年代以降、新疆のウイグル人露天商が北京などの都市に持ち込んで広まり、いまや中国でもっとも親しまれるストリートフードのひとつとなった。
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