Terumi Morita
June 12, 2026·レシピ

大盤鶏(ダーパンジー)

Da Pan Ji (Big Plate Chicken)|新疆料理読み:ダーパンジー

新疆のスパイスと一緒に鶏肉とじゃがいもを煮込み、最後に手延べの太麺を加えた豪華な一品です。

目次(5項)
大盤鶏(新疆の鶏煮込み)の美しい盛り付け。
レシピ新疆料理
下準備30分
加熱45分
人数4 人分
難度ふつう

材料

  • 鶏もも肉 800g
  • じゃがいも 300g
  • 赤パプリカ 1個
  • 緑パプリカ 1個
  • 生姜 1片 (スライス)
  • にんにく 3片 (みじん切り)
  • 八角 2個
  • シナモンスティック 1本
  • クミンシード 1小さじ
  • 鶏ガラスープ 500ml
  • 醤油 50ml
  • 料理酒 30ml
  • 塩 適量
  • 胡椒 適量
  • 手延べ太麺 400g
  • 香菜 適量 (飾り用)

手順

  1. 鶏もも肉を一口大にカットし、塩と胡椒をふって下味をつける。これにより、肉の旨味が引き立つ。

  2. 鍋に油を熱し、鶏肉を皮面から焼き色がつくまで中火で約5分焼く。焦げ目が風味を増す。

  3. 生姜とにんにくを加えて香りが立つまで炒める。次にじゃがいもとパプリカを加え、全体が混ざるまで炒め続ける。

  4. 八角、シナモンスティック、クミンシードを加え、さらに1分炒めて香りを引き出す。

  5. 鶏ガラスープ、醤油、料理酒を加え、煮立たせた後、弱火にして約30分蓋をして煮込む。

  6. 煮込みが終わったら、手延べ太麺を鍋に加え、麺がソースを吸うまで5分煮る。

  7. 器に盛り付け、香菜を飾って完成。

なぜこれが効くか

大盤鶏は、スパイシーな鶏肉としっかりしたじゃがいも、そして残ったソースを吸収する太麺の絶妙なバランスが特徴です。鶏もも肉を使用することで、肉質が柔らかく、煮込むことで旨味がスープに溶け出します。スパイスを先に炒めることにより、その香りが料理全体に広がります。もしスープが濃すぎたら、追加の水やスープを少しずつ加えて調整してください。また、麺を後から加えることで、全体の味のバランスを保ちながら、食感の違いを楽しめます。煮込み時間を守ることで、鶏肉が崩れないように気をつけましょう。

ありがちな失敗

  • ホールスパイスを「焙煎」しない。
    • 目安: クミンとコリアンダーが香り立ち、八角と花椒がふつふつする1〜2分。
    • なぜ大事か: 火が通っていないスパイスは平板で、煮込みが「重いだけ」になる。
    • どうするか: 油がしっかり温まってから加え、香りがふっと立ち上がった瞬間に次の工程へ。
  • 鶏肉を一度に詰めて焼く。
    • 目安: 鍋底に並べたとき、隙間が見える状態で5〜7分。
    • なぜ大事か: 重なった鶏肉は蒸し焼きになり、料理の核となる焼き目(メイラード反応。加熱で食材表面に香ばしい焦げ色と旨味を作る化学反応)が出ない。
    • どうするか: 鍋が小さいなら二回に分けて焼き、皮目にしっかり色がついてから合流させる。
  • 鶏肉に火が通り切る前に止めてしまう。
    • 目安: 骨付き肉の中心温度 74℃ / 165°F、じゃがいもがすっと刺さる柔らかさ。
    • なぜ大事か: 骨付きもも肉は安全のためにも、ソースに溶け出すゼラチンのためにも、しっかり煮込み時間が必要。
    • どうするか: 蓋をして表記通りの時間を守り、関節付近で火通りを確認してから麺を入れる。
  • 麺を早く入れすぎる。
    • 目安: ソースに2分絡める程度。
    • なぜ大事か: 太麺は時間が経つとソースを吸い切り、団子状になってしまう。
    • どうするか: 麺は別茹でし、食卓に並べる直前に鍋に投入して、すぐに供する。

見極めのポイント

  • 艶のある赤褐色のソースが、鶏肉とじゃがいもに薄くまとわりついている。
  • パプリカが柔らかくなりつつも、形と色が残っている。
  • 蓋を開けた瞬間に、クミンと花椒の香りがふわっと立つ。
  • 太麺がソースをまとい、団子状にも、汁に泳ぐ状態にもなっていない。

歴史メモ

大盤鶏(ダーパンジー。新疆ウイグル風の「大皿の鶏」。鶏肉とじゃがいもをスパイスで煮込み、最後に太い平麺をくぐらせる家庭料理)は、新疆ウイグル自治区・北疆の沙湾(シャワン)県で1980年代後半に生まれたとされ、ウルムチ〜イリを結ぶ街道沿いの長距離トラック運転手向けの大皿料理として広まった一品。最も有力な説では、四川から移住した漢族の料理人が、地元の鶏とじゃがいもの煮込みに四川風の唐辛子と花椒を合わせて生まれたとされ、1992年には沙湾・興華村で「大盤鶏」のブランド登録が行われ全国に広がった。最後に手延べの太麺(皮帯麺)を絡めるのは、シルクロード上で漢族の煮込みとウイグル族の麺文化が交わったことを映している。

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