Terumi Morita
May 24, 2026·レシピ

パスタ・エ・ファジョーリ

Pasta e Fagioli|イタリア料理

イタリア風の豆とパスタのスープ、パスタ・エ・ファジョーリのレシピです。

目次(5項)
茶色がかったアンバー色の豆とパスタのスープが盛られた広い浅いボウル。
レシピイタリア料理
下準備15分
加熱30分
人数4 人分
難度ふつう

材料

  • 白いんげん豆(缶詰または茹でたもの) 400 g
  • 玉ねぎ 1 個(みじん切り)
  • にんにく 2 片(みじん切り)
  • セロリ 1 本(みじん切り)
  • 人参 1 本(みじん切り)
  • オリーブオイル 大さじ 2
  • トマト缶 400 g
  • 野菜ブロス 1 リットル
  • 短いパスタ(ペンネなど) 200 g
  • 塩 適量
  • 黒胡椒 適量
  • パルミジャーノ(お好みで) 適量
  • イタリアンパセリ(飾り用) 適量

手順

  1. 鍋にオリーブオイルを入れ、中火で熱し、玉ねぎ、にんにく、セロリ、人参を加え、約5〜7分間、柔らかくなるまで炒めます。これはソフリットの基本です。

  2. ソフリットが出来たら、トマト缶と白いんげん豆を加え、さらに5分間煮込みます。ここで豆の風味がトマトと混ざります。

  3. 野菜ブロスを加え、沸騰させた後、火を弱めて約20分間煮込みます。豆がさらに柔らかくなり、スープ全体に風味が浸透します。

  4. スープの半分をミキサーでピューレ状にし、鍋に戻します。これにより、スープに厚みが出ます。

  5. 短いパスタを鍋に加え、パスタがアルデンテになるまで約10分煮ます。パスタが豆の旨味を吸収します。

  6. 塩と黒胡椒で味を調えたら、器に盛り、パルミジャーノとイタリアンパセリを散らして完成です。

なぜこれが効くか

このレシピでは、ソフリットを作ることで、玉ねぎ、にんにく、セロリ、人参が調和し、スープ全体に深い味わいを与えます。豆は煮込むことでその風味が引き出され、トマトと相まって自然な甘みが生まれます。スープの一部をピューレにすることで、クリーミーさが加わり、口当たりが良くなります。短いパスタを直接スープで調理することで、パスタが豆の旨味を吸収し、より一体感のある料理になります。もしスープがあまりにも濃厚すぎたら、少しブロスを追加して希望の濃さに調整できます。逆にサラサラすぎる場合は、もう少し煮込み、パスタが吸収する時間を増やすことで調整可能です。

ありがちな失敗

  • 豆の中心まで火が通っていないまま使う(食品安全の最重要ポイント)。 中が固い豆をそのまま鍋に入れると、短い煮込みでは柔らかくならず、特に乾燥豆(白いんげん、ボルロッティ、特にキドニービーンズ)に含まれるレクチン(フィトヘマグルチニン等)が分解されないままで、強い消化不良を起こすことがあります。 目安: 指で軽く潰せる柔らかさ。スープに入れる前に、必ず全体が中心まで柔らかい状態にする。 なぜ大事か: レクチンは熱に弱いタンパク質で、しっかり沸騰させた状態を最低10分維持しないと分解されません(弱火の煮込みでは不十分)。家庭のパスタ・エ・ファジョーリの多くは茹でた豆/缶詰の豆から始めるため、自分で乾燥豆から茹でるときに特に注意が必要です。 どうするか: 乾燥豆を使うなら、一晩水に浸し、水を替えて強火でしっかり沸騰させ、最低10分維持してから弱火に落とし、中まで完全に柔らかくします。缶詰の豆ならこの工程は不要 — 既に加熱済みです。
  • ソフリットを焦がす。 ソフリット(玉ねぎ・人参・セロリをじっくり炒めた香味ベース)は「柔らかく甘くなる」のが目的で、はっきり焦げ色をつけるものではありません。にんにくを入れる前に焦げると、味の方向性が変わってしまいます。 目安: 野菜が半透明になり、甘い香りが立ち、緩く黄金色 — カリッとしたり茶色く焦げたりはしない。 なぜ大事か: ソフリットの甘さは野菜自身の糖分のゆっくりしたメイラード反応とカラメル化から生まれます。強火で進めると甘味を通り越して苦味が出て、後から取り戻せません。 どうするか: 中弱火で5〜7分しっかり時間をかけ、こまめに混ぜます。焦げそうなら水を少し加えて火を落とします。
  • パスタを早く入れて、ベチャっとさせてしまう。 短いパスタはスープの中で速く火が通り、火を止めた後の余熱でもさらに進みます。少し煮過ぎるとパスタは粥状の食感になります。 目安: 鍋を火から下ろした瞬間にアルデンテ(イタリア語で「歯ごたえが残る程度の、芯にわずかな弾力を残した茹で加減」)。提供時にちょうど良い状態ではない。 なぜ大事か: パスタのデンプンはスープが熱い限りゲル化を続けます。「5分だけ蓋を閉めて休ませる」だけで、アルデンテは過剰調理に転びます。 どうするか: 袋表示の1分前に味を見て、アルデンテになった瞬間に火を止めます。10分以上後に提供するなら2分早めに引き上げ、余熱で仕上げます。
  • パンチェッタなどの肉を加える場合、半生のまま使う。 最初に脂を出すためにパンチェッタ(イタリアの塩漬け豚バラ肉。スモークしないベーコンのようなもの)を入れるなら、脂が透明になり、肉がカリッとするまでしっかり加熱します。ピンク色のまま、しんなりした状態で使うのは避けます。 目安: パンチェッタは完全に火が通り、脂は澄み、フチがカリッとする状態。 なぜ大事か: 塩漬け肉でも加熱が不十分だと食品安全のリスクがあります。きちんと脂を出せば、その脂がソフリットに移り、スープ全体の旨味のベースを作ります。 どうするか: ソフリットの野菜を入れる前に、中火で4〜5分、脂が透明になり肉が色づくまで先に加熱します。肉を入れないレシピならこの工程は不要 — 野菜ブロスだけで作るのも多くの地域で正統です。

見極めのポイント

  • クリーミーで濁ったブロス、澄んだスープではない — 正しく出来たパスタ・エ・ファジョーリは、潰した豆とパスタから出たデンプンで軽くとろみがあり、流れる粥のような濃さになります。
  • ピューレと粒の豆の両方が見える — 半分だけブレンドすると、ピューレ部分のなめらかさと粒の食感の両方が楽しめます。
  • 表面に艶のあるオリーブオイルの小さな雫 — 仕上げに垂らしたエクストラバージンオリーブオイルが小さなプールを作る状態。飾りではなく、味の一層です。
  • パスタが形を保っている — ディタリーニやエルボーなど短い形は、皿の中でも崩れずに見える状態が理想です。

歴史メモ

パスタ・エ・ファジョーリは典型的なクチーナ・ポーヴェラ(庶民の台所)の料理で、その起源は古代ローマ以前の農民料理にまで遡るとされています。安価な豆と穀物を組み合わせて、農作業や労働者を満腹にする — その伝統が何世紀にもわたって続いてきました(Wikipedia)。地域差ははっきりしており、ナポリ式は豆の煮汁で直接パスタを茹で、最後にマンテカトゥーラ(デンプンと油の乳化仕上げ)でクリーミーに仕上げる一方、ヴェネト式(ヴェネツィアやヴェローナ)はよりスープ寄りで、ボルロッティ豆を使うことが多いです。イタリア系アメリカ人に伝わる愛称「pasta fazool」は、ナポリ方言の「pasta e fasule」がそのまま英語化したものです(Philosokitchen)。

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