ピミエント・デ・パドロン(ししとう素揚げ)
Pimientos de Padrón|スペイン料理
パドロン・ペッパーは、熱いオリーブオイルでさっと焼き上げ、フレークソルトで仕上げたスペインのタパスです。

材料
- パドロンペッパー 200g
- エクストラバージンオリーブオイル 大さじ1
- フレークソルト 適量
手順
中火でフライパンを熱し、エクストラバージンオリーブオイルを加えます。オイルが熱くなったら、パドロンペッパーを加えます。
パドロンペッパーを約5分間、全体がシワになり、軽く焦げ目がつくまで焼き続けます。
焼きあがったら、フレークソルトを振りかけて味を整え、お皿に盛り付けて完成です。
なぜこれが効くか
パドロンペッパーを高温で短時間焼くことで、外側はパリっと、中はジューシーな仕上がりになります。オリーブオイルは香りが豊かで、ペッパーとの相性が抜群です。焼く際には、ペッパーをフライパンに詰め込みすぎないようにすることが重要です。もしペッパーが重なってしまうと、蒸気が発生してしまい、しなっとした仕上がりになってしまいます。そうならないために、必要に応じて数回に分けて焼くと良いでしょう。また、焼き加減は好みによりますが、焦げすぎると苦味が出てしまうので、焼き色を見ながら調整してください。これらのテクニックを守ることで、素晴らしいタパスが楽しめます。
ありがちな失敗
濡れたままのペッパーを熱したオイルに入れ、油はねでやけど。 目安: 清潔な布巾でしっかり水気を取ってからフライパンへ。フライパンは油がスーッと動くくらいに熱し(煙が立つ手前まで)、ペッパーを入れた瞬間に「ジューッ」と鋭い音が鳴ればOK。 なぜ大事か: 熱したオイルに水滴が落ちると瞬時に蒸気になり、オイルを玉のように弾き飛ばします。手や顔のやけどにつながる、もっとも危険な失敗のひとつです。「動くがまだ煙は出ない」を見極めれば、油はねもオイル劣化も避けられます。 どうするか: 洗ったペッパーは布巾に広げて10分置き、調理直前にもう一度別の布巾で水気を拭き取る。万一はねが激しくなったら蓋を閉められるよう、近くに蓋を準備しておく。
フライパンに詰めすぎて、ブリスター(皮が膨らんだ茶色い斑点)にならず蒸し焼きになる。 目安: 重ならない一段で並ぶ程度。多ければ2回に分けて焼く。 なぜ大事か: 詰めすぎると一度に大量の水分が出てフライパンの温度が下がり、ペッパーは自分の蒸気で煮えてしまいます。皮を膨らませて茶色く焼き付けるには、皮と熱いフライパンが直に接触し、水分が速やかに蒸発する必要があります。 どうするか: 「ジュー」というフライ音ではなく「シューシュー」という蒸す音がしてきたら、一部を皿に取り、フライパンを再加熱してから戻す。
オイルが多すぎて、ブリスターにならずに油っぽくなる。 目安: フライパンに薄く膜が張る程度(ペッパー200gにつき大さじ1ほど)。ペッパーがツヤッとするが、油に「泳ぐ」ほどは入れない。 なぜ大事か: パドロンの焼き方は、揚げ物ではなく「薄いオイルの膜で乾煎り」に近いもの。油が多いと底にたまり、温度を下げて、ペッパーは焦げ目もなくべたっとした仕上がりになります。 どうするか: 底に油がたまったら、フライパンを傾けて余分を耐熱ボウルに移してから続ける。
焼く前に塩を振る、または焼き上がりが熱すぎるうちに塩を振る。 目安: 食べる直前に粗塩(フレークソルト)を振る。マリネに塩を入れたり、焼きたての熱で塩が溶けきってしまうタイミングでは振らない。 なぜ大事か: 焼く前の塩は、浸透圧(塩が水分を引き出す働き)でペッパーから水を出してしまい、ブリスターの妨げになります。少し冷めた表面に粗塩をのせると、結晶が溶けずに残り、シャリッとした食感のアクセントになります(これがこのタパスの醍醐味)。 どうするか: 温めた皿に取り出して30秒ほど落ち着かせてから塩を振る。レモンを添えるのは任意だが定番。
見極めのポイント
- 煙ではなく、油がツヤッと動くフライパン。 フライパンを傾けてオイルの動きを見る。スルッと素早く動き、表面に細かな波が立ちつつ、白っぽい煙が立っていなければ温度は適正。
- 60秒以内にブリスターが現れる。 ペッパーを入れて1分以内に、皮に金茶色の小さな膨らみができ始めるのが目安。何も起きないなら、火が弱いか、ペッパーが濡れていたサイン。
- 皮はパリッ、果肉は柔らかい。 仕上がったペッパーは薄くカリッとした皮で、軽く押すと内側がふっくらと潰れる。閉じ込められた蒸気で中が柔らかくなったサイン。
- ツートーン:濃いブリスターと鮮やかな緑の対比。 全体が同じ色(完全な緑=加熱不足、全体が茶=焦がしすぎ・苦み)はNG。まだら模様が理想。
歴史メモ
ピミエント・デ・パドロン(高温で皮を焦がしたスペインの小さな緑唐辛子をそのままおつまみとして食べる料理)は、1600年代初頭にスペイン北西部ガリシア地方のパドロン近郊エルボン(Herbón)のサン・アントニオ修道院に、フランシスコ会(1209年にアッシジの聖フランチェスコが創設したカトリックの托鉢修道会)の修道士たちが新大陸から種を持ち帰って栽培を始めたのが起源です(Atlas Obscura、La Tienda)。ガリシアの冷涼湿潤な気候と、世代を超えた種の選抜により、ラテンアメリカの祖先種とは異なるパドロン独自の品種が確立しました。エルボンでは1979年から毎年8月第1日曜日に「パドロンペッパー祭り(Festa do Pemento de Padrón)」が開催されています。地元の言い伝え uns pican e outros non(「辛いのもあれば、辛くないのもある」)が、ほとんどはマイルドだが時折ピリッと辛いものに当たるという、この品種の「運試し」的な魅力を表しています。
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