Terumi Morita
June 25, 2026·レシピ

Mafé

マフェは、クリーミーなピーナッツソースと野菜をトロトロに煮込んだ西アフリカのメイン料理です。

目次(5項)
マフェの豊かなピーナッツソースがかかった料理の美しいビジュアル。
レシピSenegalese / West African
下準備20分
加熱60分
人数4 人分
難度ふつう

材料

  • 鶏肉または牛肉 500g
  • 無糖ピーナッツバター 150g
  • トマト 400g (缶詰または新鮮)
  • サツマイモまたはニンジン 200g
  • 玉ねぎ 1個
  • スコッチボネット 1個
  • 塩 適量
  • 黒胡椒 適量
  • 水 600ml
  • サラダ油 大さじ2

手順

  1. 玉ねぎをみじん切りにし、サラダ油を熱した鍋で中火で5分炒めます。これは、玉ねぎの甘みを引き出すためです。

  2. 鶏肉または牛肉を加え、全体が軽く焼き色がつくまで約10分炒めます。

  3. トマト、サツマイモまたはニンジン、スコッチボネット、塩、黒胡椒を加え、さらに5分煮ます。

  4. 水を加え、鍋を蓋をして弱火で約40分煮込みます。これにより、具材が柔らかくなり、風味が凝縮されます。

  5. 最後に無糖ピーナッツバターを加え、よく混ぜてさらに10分煮て、クリーミーなソースが完成します。

なぜこれが効くか

マフェは、ピーナッツバターがトマトのスープに溶け込み、全体にコクと深みを与える特徴的な料理です。ピーナッツバターは自然のオイルを含んでおり、長時間煮込むことで他の材料と一体化します。この過程で、ピーナッツの香ばしさとトマトの酸味が絶妙に調和し、豊かな味わいを生み出します。もしピーナッツバターがうまく溶け込まない場合は、火を少し強めて煮詰めると良いでしょう。また、具材が硬すぎる場合は、少し水を追加して煮込み時間を延ばすことで柔らかさを調整できます。全体の味が薄く感じるときは、塩で味を調整することで、風味を引き立てることができます。

ありがちな失敗

ピーナッツバター(アレルギーの原因になりやすい食材の一つ)を早く加えすぎたり、強火のまま煮てしまう。
目安: ピーナッツバターは肉にほぼ火が通ってから加え、加えたあとは沸騰させず穏やかな火加減を保つ。
なぜ大事か: ピーナッツバターは油とすり潰したピーナッツが混ざり合った乳化状態のもの。強火にかけると分離したり焦げ付いたりして、表面に油が浮き、鍋底に苦い焦げ味が残ってしまいます。
どうするか: ピーナッツバターを加える前に火を弱め、少しずつ加えながら、鍋底が焦げつかないよう時々かき混ぜる。

鶏肉や牛肉に火が通りきる前に仕上げてしまう。
目安: 中心まで生や赤みが残らないよう、肉にしっかり火が通るまで煮込む。
なぜ大事か: じっくり煮込むのは硬い部位を柔らかくするためですが、それは実際に芯まで火が通ってはじめて実現します。表面だけ火が通っているように見えても、煮込み時間が短いと中心が生焼けのままのことがあります。
どうするか: 煮込みの終わり頃に一番厚い部分を切って確認する。鶏肉なら中まで白っぽく不透明に、牛肉なら赤みが残っていないことを確かめ、不安なら煮込みを続ける。

スコッチボネットを割ったり刻んだりして、思ったより辛くしてしまう。
目安: あとで取り出せる程度の穏やかな辛さにしたいなら、スコッチボネットは丸ごと、皮を破らずに加える。もっと辛くしたい場合だけ割るか刻む。
なぜ大事か: 丸ごとの唐辛子はゆっくりと辛みを出しますが、割ったり刻んだりするとカプサイシン(唐辛子の辛味成分)が一気に溶け出し、一度全体に広がってしまうと後から辛さを抑えることはできません。
どうするか: まずは丸ごと加えて煮込みの途中で味見をし、辛さを見極めてから割るかどうかを決める。取り分ける相手の好みが分からない場合は、提供前に取り除く。

焼き付ける工程を省いて、材料を一度に鍋へ入れてしまう。
目安: トマトと水を加える前に、まず玉ねぎを炒め、肉に焼き色をつける。
なぜ大事か: 焼き付けることで鍋底に旨味の土台ができますが、材料を一度に入れてしまうとこの工程が抜け落ち、出来上がりの味がどこか平坦になってしまいます。
どうするか: 玉ねぎと肉を先に油でしっかり炒め、そのあと液体を加えたら鍋底の焼き色をこそげ取るように混ぜる。

見極めのポイント

  • 肉の中心に生や赤みが残っていないこと。 煮込みの終わり頃に一番厚い部分を切って確認する。鶏肉は中まで白く不透明に、牛肉は赤みが残らないように。少しでも不安なら煮込みを続ける。
  • ソースにつやがあり、全体がひとつにまとまって見えること。油っぽく分離した状態ではないこと。 ピーナッツバターが穏やかな火加減でしっかりなじむと、なめらかでとろみのあるソースになります。
  • サツマイモやニンジンが、刺すとすっと通るのに形はしっかり保っていること。 柔らかく煮えつつも形が残っているのが目安。ソースに溶けて崩れてしまっていたら、早く入れすぎたか煮すぎです。

歴史メモ

マフェ(マアフェとも表記される)は、マリやセネガルのバンバラ系・マンディンカ系の人々の料理に由来すると一般的に言われています。肉と野菜のシチューに、すり潰したピーナッツを加えてコクを出す調理法として発展しました。ピーナッツはもともと西アフリカ原産ではなく、近世の交易網を通じて南北アメリカ大陸から伝わったもので、これはトマトや唐辛子をアフリカの台所にもたらしたのと同じ、大陸間の作物交流の一環でした。地域の作物として定着したのち、ピーナッツは西アフリカを代表するシチューの一つを生み出す土台となりました。

マリ帝国のあった地域を起点に、マフェは交易や人の移動、植民地時代の人口移動を通じて西アフリカ各地、さらにその外へと広がり、その過程で地域ごとの違いも生まれました。牛肉の代わりに鶏肉や羊肉を使うもの、オクラや葉野菜を加えるもの、唐辛子の辛さも家庭によってさまざまです。この料理は今日、複数の西アフリカ諸国で作られ、それぞれの土地の料理として大切にされています。多くの口伝の歴史を持つシチューがそうであるように、その正確な起源は一つの文献よりも、家族や地域の記憶を通して受け継がれています。

エッセイをメールで受け取る(無料)

味・発酵・食の歴史についての週1の短いノート。『Atlas of Flavor』と同じ書き手から。迷惑メールなし・いつでも解除できます。