Terumi Morita
May 24, 2026·レシピ

カツ丼

Katsudon|日本料理読み:かつどん

残ったトンカツを使った簡単で美味しいカツ丼のレシピです。

目次(5項)
ご飯の上にスライスした豚カツと、流れるような半熟卵がのった丼ぶり。
レシピ日本料理
下準備10分
加熱15分
人数2 人分
難度やさしい

材料

  • トンカツ 2枚
  • 玉ねぎ 1個 (薄切り)
  • だし 400ml
  • 醤油 50ml
  • みりん 50ml
  • 卵 2個
  • ご飯 2杯分
  • 青ねぎ (飾り用) 適量

手順

  1. 鍋にだし、醤油、みりんを入れ、中火で温め、薄切りの玉ねぎを加え、玉ねぎがしんなりするまで約5分煮ます。

  2. トンカツを薄切りにして、鍋に加え、さらに1-2分間煮て、味をなじませます。

  3. 卵をボウルに割り入れ、軽くかき混ぜ、鍋に流し入れて、卵が半熟になるまで約1分間加熱します。

  4. ご飯を丼ぶりに盛り、その上に豚カツと卵を乗せ、青ねぎを散らして完成です。

なぜこれが効くか

カツ丼は、トンカツを使った日本の人気料理で、その魅力はうま味が凝縮されただしと、甘みのあるみりん、旨味のある醤油が組み合わさることで生まれます。まず、だしを使うことで、全体に深い味わいを与え、玉ねぎの甘みがさらに引き立ちます。トンカツを煮ることで、肉の旨味がつゆに溶け出し、全体が一体化します。卵は、鍋に加えた後、余熱で少しずつ火が入るため、ふんわりとした食感に仕上がります。もし卵が固まりすぎた場合、加熱時間を短くするか、少し水を加えて調整することができます。逆に、煮込みすぎてしまった場合は、新しい卵を使って再度仕上げると良いでしょう。

安全についての補足。 カツ丼の伝統的な仕上がりは「半熟卵」です — それがこの料理です。妊娠中・免疫が弱い方・高齢者・幼児に提供する場合は、卵にしっかり火が通るまで加熱を続けてください。 食感は変わりますが、安全側に立ちます。

ありがちな失敗

中までしっかり火が通っていないトンカツを使う。
目安: 豚肉の中心が完全に白く、ピンクが残らない——だしに入れる前の段階で芯温63〜70℃ を確認しているのが理想。
なぜ大事か: カツ丼のだしでの煮込みは2〜3分——あくまで温めと味の浸透のためで、生焼けの豚肉に火を通す工程ではありません。元のトンカツ(パン粉をまぶして揚げた豚カツ)が生焼けだと、衣が断熱して中心に火が届きにくく、短い煮込みでは安全に補えません。
どうするか: 明らかに中まで火が通った残りトンカツを使う——きつね色の衣、切り口にピンクが残っていない、肉汁が透明。揚げ立てを使う場合は、組み立て前に試し切りで断面を確認。迷ったら、スライス後にだしで1分多めに煮る。

溶き卵を一気に流し入れる。
目安: 溶き卵を2回に分けて鍋に回し入れる——3分の2を先に、残りを30〜40秒後。
なぜ大事か: 一気に入れると火の通りがムラになり、上は半生、底は熱い鍋に触れてゴム状の薄皮になります。2段階で入れると、しっかり固まった底層と、ふんわりした上層が一体化——白身がしっかり固まり、黄身もちょうど固まる程度で、生っぽい液状の部分は残らない状態に。
どうするか: 卵は軽く溶くだけ(数回切るように混ぜ、白身の筋が少し見える程度)。1回目をゆっくり円を描くように回し入れ、縁が固まり始めたら2回目をその上に垂らす。

だしを煮詰めて濃いタレにする。
目安: 2人分でだし(昆布と鰹節で取る日本のだし)約200ml、醤油・みりん各50ml——玉ねぎとカツを半分浸す程度の液量。
なぜ大事か: カツ丼のつゆは衣にもご飯にも染みる必要があります——薄すぎると味がぼけ、濃すぎると塩で卵が締まり、ご飯がパサつきます。調味だしは「タレ」ではなく、丼全体の味付け装置です。
どうするか: 玉ねぎをつゆで4〜5分煮て、しんなり甘くしてからカツを入れる。煮詰めすぎない。盛り付けたとき、ご飯の下につゆが見えるくらいが目安。

鍋がまだ熱いうちに長く置いてしまう。
目安: 卵が固まった瞬間にご飯の上に滑らせる——その後は火に戻さない。
なぜ大事か: 余熱は盛り付け後も卵に火を入れ続けます。コンロの上で待たせすぎると、固まったばかりの黄身が締まり、水気が出て、絹のような食感が失われます。つゆをご飯に少しだけ移すのは狙い通り、全部移すのは行き過ぎ。
どうするか: 丼に熱いご飯をすでに盛っておく。鍋からは一動作で移す。最後の一滴まで掻き出さなくていい——大さじ1杯分は鍋に残す。ご飯はそれで十分。

見極めのポイント

  • カツを入れる前の玉ねぎ: 透き通ってしんなり、白い芯がなく、鍋から甘い香りが立つ。 水分が抜け、だしを吸い始めた状態。
  • 煮込み中のだし: 鍋の縁で小さな泡が一定に立ち、ぐらぐら煮立てない。 強い沸騰はつゆを濁らせ、卵を硬くする。
  • 盛り付け直前の卵: 白身は完全に不透明で固まり、黄身もちょうど固まる程度で、流れる生の中心はない——柔らかいがしっかり火が通っていて、生っぽいつや感は残らない。 表面に半透明のゼリー状の部分がない。
  • 完成した丼: 艶のある卵がカツと玉ねぎを覆い、ご飯の上層につゆがしっかり染みている。 立ち上る湯気から醤油とみりんの甘さが香る。

歴史メモ

カツ丼は大正初期の東京で生まれ、起源についてはいくつかの説が並んでいます。三朝庵説では1918年頃、早稲田大学近くで残ったトンカツを工夫したのが始まりとされ、より資料の多い中西説では1921年2月、早稲田高等学院の18歳の学生・中西敬二郎が考案し、その年の4月までに銀座・日本橋の店でも提供され始めたとされています(早稲田ウィークリー 起源物語#1; 起源物語#2)。福井のヨーロッパ軒はさらに古く、1913年からだし+卵系のバリエーションを出していたと主張しています(起源物語#3)。どの説にも共通しているのは、カツ丼が「すでに揚げたトンカツを温かいご飯料理に転用する」という工夫から生まれた、ということ——倹約から始まった一品が、定番として定着した経緯です。

新着エッセイをメールで受け取る

味、発酵、料理の歴史 —— 週次の短いノート。