葱油餅
Cong You Bing|中国料理読み:ツォンヨゥビン
この葱油餅は、熱湯でこねた生地にネギ油を重ね、巻いて伸ばして焼き上げた、サクサクのスナックです。

材料
- 中力粉 250 g
- 熱湯 150 ml
- 塩 5 g
- 青ねぎ 50 g (みじん切り)
- ごま油 30 ml
- 植物油 適量 (焼き用)
手順
中力粉と塩をボウルに入れ、熱湯を少しずつ加えながら混ぜ、全体がまとまるまでこねます。生地が熱いので、手を使う際は注意が必要です。
生地をラップで包み、常温で約15分休ませます。この休ませる過程で生地がなじみ、扱いやすくなります。
生地を4等分し、それぞれを丸く伸ばし、ネギとごま油を均等に広げます。
生地を巻いて円筒状にし、両端をつまんで閉じます。次に、渦巻き状に巻きつけて生地をコイル状にします。
コイル状の生地を軽く押して平らにし、再度伸ばします。
フライパンを中火で熱し、植物油を適量入れ、両面がきつね色になるまで約5分ずつ焼きます。
焼き上がったら、キッチンペーパーで余分な油を取り除き、熱いうちに切り分けて提供します。
なぜこれが効くか
熱湯で作る生地は、グルテンがしっかりと形成され、弾力性を持ちます。これにより、層を作る際の生地の伸びが良くなります。ネギ油を使うことで、風味が加わり、焼いたときに香ばしさが際立ちます。また、層を作るために生地を巻く工程が重要で、これがサクサクした食感を生み出します。もし生地が破れた場合、少し水を足して再度こねると、まとまりやすくなります。焼き加減にも注意が必要で、焦げ目がつくまで焼くと、香ばしさが増し、食感が良くなります。
ありがちな失敗
ぬるい湯で生地をこねる。
目安: 沸騰直後の熱湯(85〜95℃前後)を、生地がそぼろ状のうちに混ぜ込む。
なぜ大事か: これは熱湯生地(湯種)で、その熱こそが要点です。熱湯が小麦粉のグルテン(生地に構造を与える、伸びる性質のタンパク質)を部分的に変性させるため、生地は弾力で突っ張らず、柔らかくしなやかになる。柔らかい生地は戻らずに薄く伸び、層を作るのに最適。冷水の生地は突っ張って破れやすい。
どうするか: 手ではなく箸で混ぜるほどの熱い湯を使う。粗くまとめてから、触れる温度になったらこねる。
休ませていない生地を伸ばす。
目安: こねた生地を覆って、成形前に最低15〜20分休ませる。
なぜ大事か: こねた直後はグルテンが張っていて、伸ばした端から戻ろうとする。休ませるとグルテンがゆるみ、伸ばした形がそのまま留まる。省くと生地が厚いまま縮み、薄くならない。
どうするか: 表面が乾かないよう濡れ布巾で覆い、しばらく置く。生地がだれて、押し広げやすくなっていればよい。
巻きがゆるい——または油を押し出してしまう。
目安: 薄く均一に油を塗り、きつく棒状に巻き、さらに渦巻き状にしっかり巻く。
なぜ大事か: サクサクは層づくり(ラミネーション)によるもの。塗った油が生地の各層どうしの密着を防ぎ、焼くと別々の薄い層になる。ゆるく巻けば層がつぶれて一枚の詰まったパンに、強く押せば油が抜けて層が貼りつく。油の膜こそが層を分ける境目。
どうするか: 縁まで油を広げ、つぶさずきつく巻き、渦に巻いて手のひらで軽く平らに——薄くするのは麺棒に任せ、強い圧はかけない。
強火、または乾いたフライパンで焼く。
目安: 中火、フライパンに膜を張る程度の油、片面約3〜4分で深い金色に。
なぜ大事か: 香ばしい金色の表面はメイラード反応(香ばしさと旨味を生む褐変化学反応)によるもので、熱した油との安定した接触と少しの辛抱が要る。強すぎると中が焼ける前に外が焦げ、乾いたフライパンでは表面が蒸れて青白く硬くなる。
どうするか: 先にフライパンを熱し、油を入れ、それから生地を置く。激しい音ではなく穏やかで一定の音を聞き、片面が固まって色づいたら返す。
見極めのポイント
- 休ませたあとの生地: 柔らかくだれて、戻らずに薄く押し広げられる。 突っ張って縮むなら、粉ではなく休ませる時間が足りない。
- 最後に伸ばす前の渦: 巻き目がはっきり見え、層の間にうっすら油の艶がある渦巻き。 その明確な巻き目が、サクサクに分かれる層になる。
- フライパンの中の表面: 均一で深い金色、ところどころ膨れて、一定の音で焼けている。 青白くだれていれば火か油が弱い。
- 切ったときの断面: 開いた薄い層が幾重にも分かれ、詰まらずに口の中でほどける。 詰まってパンのようなら層づくりが失われた合図——たいていは巻きのゆるさか、油の押し出し。
歴史メモ
葱油餅(ツォンヨゥビン、「葱と油の餅」)は中国料理の伝統に連なる塩味の小麦の平焼きパンで、刻んだ青ねぎと油を層に重ね、サクサクになるまで焼く。この系統の小麦の平焼きパンは、山東省のような小麦と鉄板の食文化を持つ中国北部で非常に古くから親しまれ、葱油餅はその根強い日常的な一形態だ。マルコ・ポーロが持ち帰ってピザの祖になったという俗説も人気だが、これは記録された史実ではなく民間伝承にすぎない。(Wikipedia: Cong you bing;196 Flavors: Cong You Bing)
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