Terumi Morita
May 22, 2026·レシピ

クナーファ

Knafeh|中東料理

クナーフェは、溶けたチーズの上にカタフィ生地を重ね、オレンジブロッサムシロップで浸した中東のデザートです。

目次(5項)
オレンジ色のカタフィ生地が溶けた白いチーズの上に広がり、緑のピスタチオが散らされ、シロップが表面で輝いている。
レシピ中東料理
下準備30分
加熱15分
人数4 人分
難度ふつう

材料

  • カタフィ生地 250 g
  • モッツァレラチーズ 200 g
  • バター 100 g
  • オレンジブロッサム水 50 ml
  • 砂糖 150 g
  • 水 200 ml
  • ピスタチオ(刻んだもの) 50 g

手順

  1. まず、オーブンを180℃に予熱します。この温度がカタフィ生地をパリッと焼き上げるために必要です。

  2. 鍋に水、砂糖、オレンジブロッサム水を入れて中火にかけ、砂糖が溶けるまで混ぜます。これでシロップが完成します。

  3. カタフィ生地を細かくほぐし、溶かしたバターを加えます。生地が均一にバターを吸収することが重要です。

  4. オーブン用の皿に、カタフィ生地の半分を敷き詰め、その上にモッツァレラチーズを均等に広げます。

  5. 残りのカタフィ生地をチーズの上に重ね、180℃のオーブンで約15分焼きます。表面が黄金色になるまで焼くのがポイントです。

  6. 焼き上がったら、熱い状態でシロップを全体にかけます。シロップが生地に染み込むことで、香りと甘みが加わります。

  7. 最後に、刻んだピスタチオを散らし、少し冷ましてから切り分けて提供します。

なぜこれが効くか

このクナーフェの技術の中心は、カタフィ生地とチーズの組み合わせにあります。カタフィ生地は非常に薄く、フレーク状の食感を持っており、焼くことでパリッとした食感を生み出します。この生地の上に溶けたモッツァレラチーズを重ねることで、クリーミーなコントラストが生まれます。焼く際、温度を適切に管理することが重要で、180℃で焼くことで外側がパリッとし、内側が柔らかく溶けた状態になります。もし生地が焦げそうな場合は、すぐにオーブンの温度を下げるか、アルミホイルをかぶせることで焦げを防ぎます。シロップは、焼き上がったクナーフェにかけることで、甘さと香りを補完します。シロップが熱い状態のままかけることで、よりよく吸収され、しっとりとした仕上がりになります。

ありがちな失敗

熱いシロップを熱いクナーフェにかける。
目安: 冷たいシロップを熱い生地に——これが鉄則。シロップは常温(できれば冷蔵庫で冷やしたもの)、クナーフェはオーブンから出したて。
なぜ大事か: 熱いシロップを熱い生地にかけると、シロップが流れ落ちて吸収が不均一になり、カタフィ生地(細い糸状に裂いた中東の極薄パスタ生地)は数秒でパリッからベチャッに変わる。冷たいシロップを熱い生地にかけると、ジューッと音を立てて温度差で生地の隅々まで均等に吸い込まれる。安全面でもこれは大切——熱々のトレイに熱々のシロップを注いで運ぶのは、家庭でやけどが起きやすい場面。シロップは早めに作って、しっかり冷ます。
どうするか: シロップは最初に作り、前夜でもよい。クナーフェを焼いている間に冷蔵庫へ。型から出した瞬間に、中心から外側へ、ゆっくり一定の流れで注ぐ。

チーズが冷蔵庫から出したて。
目安: モッツァレラはおろして30分常温で休ませる——組み立て前に。塩気の強い溶けるチーズ(伝統的なナーブルスィー・チーズは塩水漬け)を使う場合は、冷水に短時間さらして塩抜きしてもよい。
なぜ大事か: 中層のチーズが冷たいままだと、上下のカタフィが先にカリッと焼けて、チーズが溶けて伸びる前に焼き上がってしまう。食感はあっても、伸び(チーズの引きの良さ)がない——料理の半分が欠ける。安全面でも、チーズはしっかり溶け切るまで火を通すことが必要。
どうするか: オーブンを予熱し始めるタイミングでチーズを冷蔵庫から出す。底面のふちが濃いきつね色になり、かつチーズが目に見えて溶けるまで焼く——角をオフセットスパチュラで持ち上げて両方確認。

カタフィ生地が塊のまま。
目安: 生地を指先で完全にほぐしてふわふわの山に。それから全体の糸が艶々になるまでバターで和える。
なぜ大事か: 冷凍カタフィは圧縮されたコイル状で届く。塊のまま型に押し込むと、内側は蒸されてしまってカリッとならず、バターも中心まで届かない。クナーフェの王道は、表面全体が均一なオレンジアンバー色のカリカリ層——塊が残ると、その部分が白く焼き上がらないパッチになる。
どうするか: 蓋付きで解凍し(乾燥防止)、大きなトレイの上で指先で根気よくほぐす。途中で溶かしバターを少しずつ垂らし、サラダのドレッシングを和えるようにふんわり混ぜる。

澄ましバター(ギー)を使わない。
目安: カタフィを和えるのはギーまたは澄ましバター——溶かしただけのバターではなく。
なぜ大事か: 普通のバターには乳固形分と水分が含まれていて、水分が生地を蒸して柔らかくし、乳固形分が不均一に焦げて黒い斑点になる。ギー(澄ましバター——乳固形分と水分を取り除いたバター)は、生地をあのパリッと砕けるような食感に仕上げ、中東の職人が大切にするナッツのような香りを与える。これが食感を決める最大のポイント。
どうするか: 無塩バターを弱火で煮詰めて、乳固形分が底に金色に沈むまで加熱し、漉す。または良質のギーを購入する。温かいが熱すぎない状態で使う。

見極めのポイント

  • 焼く前のカタフィ: 糸の一本一本がバターで艶々、ふわふわで塊なし。 乾いて見える部分があったら、そこにギーを追加で垂らす——その部分は焼いてもカリッとならない。
  • 焼き始め10分頃: ふちが金色に色付き始め、表面が白から淡いアンバーに乾き始めている。 まだ真っ白なら、天板の位置が低すぎる——上段に移す。
  • 焼き上がり: 表面全体が濃いオレンジアンバー色、ふちが型からわずかに離れ、下のチーズからかすかにジューと音がする。 オフセットスパチュラで角を持ち上げると、底面も同じ濃い金色。
  • シロップをかけた後: 生地の色が一段濃くなり、表面は濡れて光るがシロップは溜まらない。 シロップが溜まるようならカタフィが圧縮されすぎていた——次回はもっとほぐす。

歴史メモ

クナーフェの象徴的な形であるチーズ入り「クナーフェ・ナーブルスィー」は、ヨルダン川西岸のパレスチナの都市ナーブルスが発祥で、伝統的に地元の塩水漬けナーブルスィー・チーズで作られる。ナーブルスは世界最大のクナーフェのギネス世界記録を保持している(Rakwa/Arab American News)。生地・チーズ・シロップを組み合わせたお菓子は、より古くは10世紀のアラビア語料理書にも登場し、ウマイヤ朝期のダマスカスやファーティマ朝期のエジプトに起源を求める説もある(Slurrp)。この料理は今もパレスチナのもてなしの心と深く結びついており、特にラマダンの時期や祝祭の場でレヴァント地域全体で供される。

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